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2006年12月 8日 (金)

2006年11月30日~12月4日台湾・金門島

Photo_125 11月30日から4泊5日のツアーで台湾の金門島へ。

かつて、島民の半数が戦火で死んだこの島は、今は長閑に鳥たちの群れる島。

立ち入り禁止で叢林となっている地雷原や、崩れかけたトーチカにPhoto_126 Photo_127 

地雷原注意のたて看板と廃墟のトーチカ(写真や絵はクリックすると大きくなります)

48年前の爆音と住民の呻き、兵士の涙を思いつつも、

他方、随所にある近代的な軍事施設からは、むしろ今の平和を感じさせる不思議な島。

私が小学校低学年のころ、普及し始めたばかりのテレビに、金門・馬祖の戦火が、映し出されたことを覚えています。

まだ幼くて、戦争が悲惨なものだ、という事に思いを致すことすらなかったと思いますが、

はじめて見る戦争のニュース映像は、断片的ですが、今でもはっきり思い起こすことが出来ます。

最近は、台湾本島からの観光客ばかりでなく、中国大陸からも団体で観光客がやって来るようになっているとのこと。

いま台湾海峡は平和です。

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日程は

11月30日、台北郊外の山中にある烏來で一泊、(夕刻の関渡・早朝烏來で探鳥)

翌日飛行機で金門島へ渡り、島で2泊したあと(島内、およそ2日半の探鳥)

再び空路台北市へ戻り、

台北一泊後帰国した次第です。(昼過ぎまで、市内の植物園・関渡で探鳥)

鳥のポイント

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行きと帰りがけの台北市周辺では

① 台湾にいる15の固有種のうち2種、ヤマムスメルリチョウを見ることが出来ました。2_3

ヤマムスメ

烏來の朝、ヤマムスメの群が、谷の向こうから次々にこちらへ飛んできました

Photo_135 タイワンオナガ

ヤマムスメの群と混群をつくっていました。

ヤマムスメは20羽ほどの群れが2ついましたが、もしかしたら同じ群れが巡回していたのかもしれません。

② ヒゴロモの♂の「緋衣」の美しさと、群れ飛ぶベニサンショウクイ40~50羽が織り成す、朱色と黄色の美しさは、まさに感動的でした。

③ 関渡にヒシクイ(亜種オオヒシクイ)が1羽来ていました。

また、やはり当地では珍鳥のコヨシキリが一羽、関渡に来ており、地元バーダーがカメラの砲列を向けていました。日本でよく見る光景と同じです。

④ どこにでもベニバトが群れていました。バスから遠目にみると、まるでムクドリです。

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南方大陸系の留鳥と北方大陸系の冬鳥が越冬する金門島についていうと

① ナベコウが2羽、広い干潟にいました。すこし遠かったですが、じっくりと見ることが出来ました。Photo_128

ナベコウの飛翔

Nabekou4img281 Nabekou1img281

Nabekoutorusou_1

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② ヤマショウビンは一羽だけでしたが、アオショウビンは数羽見ました。

しかも、12月だというのに、アオショウビンが早朝に啼いてくれました。

「ピロロロロロロ ピロロロロロ」と繰り返します。

アカショウビンに似ていますが、もうすこし歯切れのいい啼き方です。やや尻つぼみになるところは同じです。

早起きした我々4人だけが聴くことが出来ました。

③ タカサゴモズの暗色型は5個体ほど見ました。Photo_130

タカサゴモズ暗色型。倉庫の横の荒地で虫を捕まえました 

Photo_132 これは普通のタカサゴモズ

Photo_134 そしてこれはシマアカモズ

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④ わずか3羽しか見なかった大型カモメについて、若干コメントします

まず第一に、ナベコウがいた干潟で12月2日に、杭の上にいた大型カモメ。ツアーとしてはオオセグロカモメと同定した個体です。

あれについては、私見ですが、ホイグリンカモメ(Larus heuglini )だと思います。

200mほどの距離がありましたが、

A, 頭部から頸にかけての灰色の斑はほとんどなく、遠いとはいえ、この時期に、ほぼ白い頭部であったこと。 

B、背の色はオオセグロカモメの範囲にありましたが、やや薄く感じられたこと。

C、足色については、遠い上に、半ば隠れていて付け根部分しか見えませんでしたが、確かに朱色味を帯びて見えました

明らかに、オオセグロカモメの、あの濃い目の赤色ではありませんでした

この足の色がちゃんと確認できなかったことが、残念ですが、少なくとも、オオセグロの紅色に近いものではないように見えました。

なお、金門島について配られました「金門島の鳥」の本にオオセグロカモメとして記載されているカモメの写真は、足が赤味を帯びた黄色で、あきらかにホイグリンカモメです。タダでもらった本に文句をいってはいけませんが・・・ すみません

第2に、12月3日、オニアジサシとダイシャクシギの大群がいた汽水湖に飛んで来ました2齢目の大型カモメですが、

尾羽の帯が細かったことが決め手で、キアシセグロカモメの1亜種である Larus cachinnans mongolicus で問題ないと思います。

この種も、以前はセグロカモメの1亜種として Larus argentatus cachinnans とされ、足の赤い「キアシセグロ」をモンゴル辺りの地域差としてましたが、このごろはキアシセグロカモメの1亜種Larus cachinnans mongolicusとするようになりました。さらに、この亜種も最近はLarus mongolicus=モンゴルカモメと種に昇格させる見方が増えているようです。

ツアー一行としては、この鳥をセグロカモメLarus argenntatusとしましたが、上記の変遷に照らせば、一昔前の判断として正しいいうことになります。

新しい見方が正しいとは限りません。いずれ、やっぱり元の見方が正しい、となるかもしれません。

すくなくとも2000年の日本鳥学会のリストの考え方からすれば、この個体をセグロカモメとしてもいいのかもしれません。

今はセグロカモメでさえもLarus vegaeとするのが主流のようです。それを前提とするのなら、あの個体はL.c.mongolicusとするかL.mongolicusということになるということです。

こうした見方・考え方の変遷は、恐らく、わずか、ここ10年ぐらいの間で起こったことのようですし・・・。なにが正解やら。でもそういう目で見ていくのは、それなりに楽しいものです。

もうひとつ第3番目になりますが、恐らく私だけしか見ていないかもしれない大型カモメが一羽いました。上記のmongolicusと同じところで、飛んでるところだけの観察です。

これは3齢目の個体で、頭部は真っ白に見え、背の色はセグロカモメと同じでした。足の色は赤です。白い尾に帯が細くありました。

これもmongolicusだと思います。

⑤ 日本での鳥の識別に役立つという意味で、最大の収穫はキマユムシクイの鳴き声(地鳴)を覚えたこと。中野さんに教えていただきました。

確認した鳥のリストは、鳥たちの写真を挟んで記載します Photo_138

ゴシキドリ

Photo_140 ズグロミゾゴイ

Photo_141 クロウタドリ

Photo_142 クビワムクドリ

Photo_143 ヤマショウビンがカニを捕まえた瞬間です

Photo_144 アオショウビンが飛び立った瞬間です。ホテル近くの公園で

Photo_145ダイシャクシギの群。200羽ぐらいはいました

全体で126種でした

2006年11月30日~12月4日  台湾・金門島
台湾 金門
1 カイツブリ *
2 カンムリカイツブリ 50
3 カワウ *
4 リュウキュウヨシゴイ 1
5 ズグロミゾゴイ 1
6 ゴイサギ *
7 アマサギ *
8 ダイサギ * *
9 チュウサギ *
10 コサギ * *
11 アオサギ * *
12 ナベコウ 2
13 クロツラヘラサギ 1 1
14 インドクロトキ 3
15 ヒシクイ 1
16 マガモ * *
17 カルガモ * *
18 コガモ * *
19 ヨシガモ 5
20 ヒドリガモ *
21 オナガガモ * *
22 ハシビロガモ * *
23 キンクロハジロ 5
24 ミサゴ *
25 カタグロトビ *
26 ノスリ *
27 カンムリワシ 2
28 チョウゲンボウ *
29 タイワンキジ *
30 シロハラクイナ *
31 バン * *
32 ミヤコドリ *
33 コチドリ abt 10
34 シロチドリ
35 メダイチドリ 1
36 オオメダイチドリ 5
37 ムナグロ *
38 ダイゼン *
39 タゲリ 2
40 キョウジョシギ *
41 トウネン abt 10
42 ハマシギ *
43 ミユビシギ *
44 ツルシギ 2
45 アカアシシギ *
46 アオアシシギ * *
47 クサシギ *
48 タカブシギ *
49 イソシギ * *
50 オオソリハシシギ 1
51 ダイシャクシギ *
52 チュウシャクシギ *
53 セイタカシギ * 4
54 ソリハシセイタカシギ 2
55 ユリカモメ *
56 キアシセグロカモメ 2
57 オオセグロカモメ 1
58 カモメ 1
59 ズグロカモメ 2
60 オニアジサシ *
61 カノコバト * *
62 ベニバト * *
63 キジバト * *
64 オオバンケン *
65 オオコノハズク 1
66 ヒメアマツバメ *
67 アオショウビン *
68 ヤマショウビン 1
69 ヒメヤマセミ *
70 カワセミ *
71 ヤツガシラ *
72 ゴシキドリ 2
73 アリスイ 1
74 セグロコゲラ 2
75 ツメナガセキレイ 3
76 キセキレイ * *
77 ハクセキレイ * *
78 マミジロタヒバリ 1
79 ビンズイ 1
80 ベニサンショウクイ abt 50
81 クロヒヨドリ abt 10
82 シロガシラ *
83 シマアカモズ 1 1
84 タカサゴモズ *
85 ジョウビタキ * *
86 コンヒタキ 1
87 カワビタキ 2
88 シキチョウ *
89 ノビタキ 2
90 イソヒヨドリ 1
91 クロウタドリ *
92 ルリチョウ *
93 ヒメマルハシ 7
94 ミミジロチメドリ 1
95 アオチメドリ *
96 ズアカエナガ 1
97 ウグイス 2
98 コヨシキリ 1
99 ムジセッカ 4
100 キマユムシクイ 6
101 アオハウチワドリ * *
102 マミハウチワドリ * *
103 クロエリビタキ 1
104 ヤマガラ *
105 メジロ * *
106 アオジ *
107 カワラヒワ *
108 コイカル *
109 スズメ * *
110 シマキンパラ *
111 ムクドリ *
112 カラムクドリ *
113 ギンムクドリ * *
114 クビワムクドリ * *
115 ハッカチョウ *
116 モリハッカ *
117 カバイロハッカ *
118 ヒゴロモ 1
119 ヒメオウチュウ 3
120 オウチュウ *
121 ハシブトガラス 1
122 クビワガラス *
123 タイワンオナガ abt 50
124 カササギ * *
125 ヤマムスメ abt 40
126 カワラバト * *
60 93

Daisyakusigia

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